心のエクササイズで豊かな毎日を!「マインドフルネス講座」潜入レポート

マインドフルネス

おとなの寺子屋」主催の「マインドフルネス講座」へ行ってきました。


今回はいつもの平原邸(現CIRCLE)ではなく、外部講師を招いて、二子新地駅近くの高架下にある「にこぷら新地」で大々的に行われました!

開催日となった10月22日(日)は、残念ながら雨。翌日は大型台風が来るということで、午後13時半~16時という日中の講座にも関わらず、「まるで夜?」のような陽の射さない悪天候でした~(ちょっとがっかり)。

でもね、「にこぷら新地」に一歩足を踏み入れると、参加者の「学ぼう!」という前向きな熱意でムンムン!雨ニモマケズ風ニモマケズ集まった受講生は総勢22名。

講師は、日本における「マインドフルネス」の第一人者であり、講演会や瞑想会、ワークショップなどで引っ張りだこの、島田啓介氏。穏やかで優しい、とってもすてきな雰囲気の方です!

「皆さん、まずはマインドフルネスについてちょっとご説明しますね。もとは仏教ですが、メソッドはアメリカの医学者が確立したもので、科学的なエビデンスも集まりつつあります。
最初は戦場でのPTSDから復帰するために陸軍で採用されていましたが、最近ではビジネスに役立つことがクローズアップされるようになりました。でも本来は、心を落ち着かせるためのものなんですよ。」と島田先生。

「念という字は、“今”に“心”があると書きますね。これは“今”という時に“心”が満ちている、ということです。それがマインドフルネス
その逆は、意識が離れているマインドレス状態。ぼーっと別のこと、例えば過去や未来について、または別の場所に思いをはせている状態のことで、別に悪くはありませんが、いつもそうではやはり問題ですよね」

なるほど。常日頃、心ここにあらずで脳内をさまざまな考えや想像が駆け巡っている記者は、道で知人に会っても気づかない場合が多く、声をかけられてびっくりすることもしばしば(汗)。
いけないですね、反省です…。

ここで、先生が師と仰ぐベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン氏の写真が登場。

ティク・ナット・ハンマインドフルネスのキーパーソンで、その方法論を世界に広めた人です。20年前に来日した際、私は彼に、“あなたたち日本人は日本の伝統を振り返りなさい”と言われました。日本人が大切にしてきた作法やお行儀、伝統芸能、茶道などに、実はマインドフルネスが存在しているのだと。
例えば敷居は踏まずにまたぐ、とか、心を込めておじぎをするとか…。当たり前のことを当たり前に丁寧にすることが、マインドフルネスの第一歩なんです。」

「ばんばひろふみのSACHIKOという歌をご存じですか?」と先生。もちろん!と思ったら、意外にも首を横に振る人多数。えっ?皆さん知らないの~?と内心びっくりする記者。先生もちょっとびっくり(がっかり?)しつつ、歌詞を披露。
幸せを数えたら片手にさえ余る、不幸せ 数えたら 両手でも足りない~とありますが、人間って不幸せを多く数えがちな性質があるんですね。」

「ふだんどんな困りごとがありますか?と聞くと、例えば体調がすぐれない、不安感がある、いつもイライラしがち、人目が気になりすぎる、人間関係がうまくいかない、など、すぐにたくさん出てくることが多い。
でも、ふだんどんなステキなことがありますか?と聞くと、意外とすらすら出てこないことが多いようです。さて、マインドフルネスはこれにどのように対応していくのか…。」

100円もある、100円しかない。物理的に同じでも、見方によって意味合いが変わってきますね。うちの息子は小学生なので、100円あったら嬉しいよ~と言います。皆さんはいかがですか?
また、コップに水が半分入っているとして、もうこれしかない、と考えるか、まだこれだけあると思うかでも、ずいぶん心の充足度が変わってくるのではないでしょうか?」

“無常”というのは、すべては変化し続けるという意味の言葉です。綾小路きみまろの、“あれから40年~”というのも、まさに“無常”ですね。」
先生、ちょこちょこわかりやすい例えをはさんで、面白く話してくださっているなあと、思わずニンマリ。あれ?でも周りを見回すと、笑っているのはほんの数人だけ…今日の受講者さんはテレビをあまり観ない人が多い?

“無常”も、否定的に見れば、喪失・虚無・我の死滅…となりますが、肯定的に見れば、変化・変容・成長…となります。ここで、1分間沈黙してみましょう。」と先生。

そこで一同、鐘の音とともに目をつぶり、次に鐘がなったら目を開ける、という試みにトライ。

終了後「どんなことが頭に浮かびましたか?」と先生。「心臓が動いているなと思った」「お寺の鐘の音を思い出した」「濡れた足が気持ち悪いなと感じた」と、いろんな答えが…。「実は、今しかない音に集中していた状態こそが、マインドフルネスなんです。」

ここから、だんだん講義は本題に…。

「マインドフルネスを実行するためのコツ、『GAP』をご紹介しましょう。
これは、5分もあればできる瞬間休息法で、GはGrounding(地に足をつけ、大地とつながる。ゆだねて安らぐ)、AはAwareness(呼吸や身体を感じて、ここにいることに気づく)、PはPresence(たしかに存在すること、微笑みを意識する)を表しています。
またGAPをひとつのワードと捉えると、リラックスすることで体と心に隙間ができ、そのスペースに浮かび上がってくるものを、そのまま見つめる…となります。」

「体の力を抜いて背筋をのばし(上から糸で吊られているイメージで!)、両手をだらっとひざに起き、呼吸を意識して、自分の体へ微笑みを向けてみてください。リラックスして、今自分が確かにここにいることを感じることが第一歩なんですね!」

「これを応用することで、苦しみを生み出す従来の思考…例えば、「経験したい」と渇望したり、「経験したくない」と否定するのではなく、今経験していることをそのまま受け入れられるようになります。現状に抵抗しないことで、心が解放され、自由になれるのです。」

「怖れの感情がわいた時も、それに抵抗せず、GAPで微笑みと呼吸にもどり、スペースをつくり、そこに起こるさまざまな思考や感情を流れる雲のように見守ることで、怖れの色眼鏡が外れ、本当の自分とありのままの現実が見えてきます。」

ここで先生は「ふと気づいたら鼻にスズメバチがとまっていた(!!)」という体験と「真冬にバイクに乗る」という2つのエピソードをお話になりました。どちらも、普通に考えたら強いストレスを感じるにちがいない状況ですが、それもGAPを実践することで、対処できたそうです。

人間関係においてもマインドフルネスは重要だそうで、講義の終盤には、「話す時は徹底して話す」「聞く時は徹底して聞く」ということを体験するために、2人1組になって「問いかけのセッション」を行いました。

これは、相手(自分)の中の素晴らしい部分を見つけ、それに対して質問をする、というもので、私のお相手をしてくださったのは、新宿からわざわざいらしたという松永さん。

私が、「自分を高めるためにこのような会に参加しようと思う、あなたの前向きな姿勢が素晴らしいと思います。どうしてそんなに向上心があるのですか?」と尋ねると、松永さんは、「私の周りには、私を認めてくださる方がたくさんいて、その中の一人に誘っていただいてここにきました。島田先生のお話を聞けて、今日はここにきて良かったと思っています」と話してくれました!

そして最後に、「あなたは、人生最後の3日間で何をしますか?」という先生の問いかけにより、「本当に大切なもの・ことを優先して生きる」ためにマインドフルネスが必要であることを教わった私。今この時に、今目の前にいる人に、心を満たして向かい合うことが大切なのですね。う~ん、深い。

講義が終わってから、参加者の方にちょっとインタビューをしましたよ!

心の持ち方がいかに大切なのかを痛感しました。怖れ、怒りを解消する方法を教えていただけて良かったです。デイサービスをやっているので、今度カンファレンスで今日のお話を伝えたいと思いました」(吉田さん・女性)

「今までまったく意識していなかったことに気づけた気がします。忙しさに振り回されてしまう日々ですが、気持ちを整える大切さを知りました。ふだんの生活の中で心と体を一致させられるように、努力してみたいと思います」(木村さん・男性)

この日はなんと、より深く学びたい!という人のために、続きの「中級編」まで開催されたそうで…。私は初級で失礼してしまいましたが、先生のお人柄もあって、終始和やかなムードにほんわかさせていただきました!

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